おっさんの野望 #知力5

【使える失敗学】(畑村洋太郎)

▼どんな本?            
作者の畑村さんは元々、機械工学畑の方らしく、その「失敗学」を研究されて
いたとのこと。
で、そこからの「失敗」の法則性があるのは見えてきたのですが、よくよく調べると
それは機械工学だけでなく、あらゆる業界に法則性が及んでいることが解った
と言うことなのです。
ただし、この本は「あらゆる失敗を未然に防ぐ」ための秘訣本ではなく、
小さな失敗は起きるモノ、仕方無いモノとして、それを基に大きな失敗を
起こさないようにするためのノウハウが詰め込まれた本
になります。

最初、この本を手に取ったときは、コレまで社会的に取り沙汰されてきた
様々な失敗事例を並べて
「何が問題だったか?」「原因は何か?」「どうすれば回避出来たか?」
だけが記載されている本だと期待していたのですが、
良い意味で裏切られました。

▼読み所は?            
この本は上記にも書いたとおり、ただ過去の失敗事例固有の問題点ではなく
もっと上の視座からの失敗に対する対応書となっています。
そして繰返しになりますが、この本ではある程度の失敗は起きるものとして
考えられており、その対応の内容(構成)として
・「失敗からの回復」
・「失敗からの基礎」
・「失敗からの創造」
・「失敗学応用編」
が用意されています。

さて、失敗への対応として、大きく2つに分けられると思います。
それは「失敗前」と「失敗後」です。
「失敗後」も大事そうなことは解りますが、出来るものなら「失敗前」に
対策を打ちたいのが本音ですよね?
世の中に溢れるハウツー系の情報(本、ブログ、動画etc・・・)の多さが
それを端的に表しています。
ですが、必ずしも紹介されている内容が自分に当てはまるわけではありません。
(むしろ当てはまらないことの方が多いのではないでしょうか?)

ではどうするか?と言うと、作者は
自ら最少の失敗を体験して知識を得ることに加え、他人の失敗例から上手に知識を得ること
と述べられています。
つまり、(ちょっと乱暴に言うと)ある程度は自分で失敗を体感しようぜ、と言うことです。
これを経験しておかないと、ただ他人からの失敗例の知識だけを得ても、
自分置き換えた(自分事と捉えた)応用が全く出来なくなります。
(最悪、更に酷い失敗を招く恐れもある)
会社でありがちな、テキストや動画だけ見せるセキュリティ研修みたいなもんですねw

上記では、ほんの一例を挙げましたが、まだまだ対応例は沢山用意されています。
それでも、自分のドンピシャの事例は無いと思いますが、知っておけば
(かつ、実践すれば)致命的な失敗に陥ることは格段に減ると思います。

▼最後に            
残念ながら日本という国は、あまり失敗を認めない風潮にあります。
特に若い世代は、それを過剰に感じ取って失敗を極端に恐れている様に見えます。
本来、若い世代は「失敗して当たり前」そして「失敗が許される世代」だと
思っているので、そのわずかな貴重な時期を逃すのは、本当に勿体無い気がします。
この本が伝える
小さい失敗体験から大きな失敗を防ぐ(そして発展に持って行く)
は、ぜひ若い世代にこそ受け取ってもらいたいな、と感じました。

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