おっさんの野望 #知力6~14

【指輪物語】(著:J・R・R・トールキン/訳:瀬田貞二、田中明子)

▼どんな本?          

敵の親玉が作ったスゲー力を持っている指輪をたまたま手に入れちゃったんだけど
敵の親玉に取り返される前に火山の中に入れてぶっ壊そうぜ、と言う物語。

この物語には、人間の他、エルフ、ドワーフ、オークやエント、そして主役である
ホビットといった種族のほか魔法使いも登場する、異国を舞台にしたファンタジー小説です。

この物語(本)の設定ですが、入れ子のような構造になっており、作中の
登場人物が「俺こんな冒険したんよ」と書き残した本を、作者であるトールキンが
見つけて翻訳したもの、と言うスタンスが取られています。
この趣向は非常に凝っており、文中に頻繁に「これはエルフ語でxx」とか
「過去にxxによって歌われたもの」とか注釈書され、物語に現実味を与えています。

読み所は?          

この本は、これ以降の日本はおろか、世界中のファンタジー物に少なからずの
影響を及ぼしたと言っても過言では無い作品ですが、そんな前知識の無い当時の私は
「所詮、外国のファンタジーラノベだろw」程度の軽い気持ちで手を出して、
とんでもないしっぺ返しを食らうことになりました。(読み切るのに約半年w)

執筆(1930~1940年代(WW2時代))、出版(1950年代)された時代背景も
あると思うのですが、脚色や演出を抑えたかなり骨太の物語です。
さらに言うと、日本語訳判が出たのも1970年代と、翻訳された文章体も時代を
感じられる物になっています。

時代背景と言えば、物語中の登場人物が自分を名乗るときは、基本的に
「xxx の子 zzz」のような表現をします。これはこの物語の設定と言うのも
あったとは思いますが、どちらかと言うと作者であるトールキンが英国籍である
事も自然に漏れ出したと思うので、こういった所からも時代感や異国感を感じられる
作品かなと思います。

この物語はそのボリューム故、敵味方多数の人物が登場します。
主人公は圧倒的な力を持っているわけでも無く、ましてや王家の血筋、のような立場でも
ありませんが、その人格故に周りを惹き付け、また禍に巻き込まれていきます。
主人公以外でも、主人公パーティの面々にはしっかりと主役のような存在感を
与えられており、何なら主人公が一番主人公してなかったのでは?と思えるくらいです。
特に終盤になるにつれ、その傾向が強く、おまけ要員だと思い込んでいた人物が
ちょっとやり過ぎなんじゃ?と思うほどの大活躍をしたりします。

あと、全体通して感じたのは、主人公一行は敵陣の懐までの気の遠くなるような
長い行程を進むことになるのですが、いつも危機的状況に遭うのは「到着してから」
ではなく「到着するまでの行程」なんですよね。一行がジリジリと心身共に削られていく
描写(翻訳?)に派手さが無い分、読んでいて余計辛かったです。
ちなみに作者は、この作品は第二次世界大戦渦中の執筆ではあったが、その影響は
受けていないとしていますが、著者自身は第一次世界大戦は従軍しており、そこで友人達を
多数亡くしている事から(第二次世界大戦でイギリスは戦勝国だったにせよ)深層下では
少なからずの影響は受けていたのでは無いか?と思っています。

最後に            

実はこの本には、「ホビットの冒険」と言う前日譚と言うか前作があります。
私はこれを知らずに、いきなりこの「指輪物語」から読み始めてしまったのですが、
主要な登場人物の人となりが、さも当たり前のように述べられていたりと違和感バリバリで
序盤の巻はかなり苦しみました。(笑)
※「ホビットの冒険」はまだ読んでいません。指輪物語の記憶があるウチに読みたいですね。

そうでなくとも、登場人物や地名、所持品等の固有名詞が盛り沢山で、記憶力の
無さに定評がある自分としては大変混乱しましたね。
特に登場人物によっては、「本名」「愛称(ニックネーム)」「通り名」など使い分けて
くるので、たまに本名が出てくると「また新顔かよ?!どこで見落とした?」と
軽くパニクっていましたw
正直、最低でもあと2,3周はしないと、1回読んだだけではこの本の半分理解できたか
怪しいものですねw
出来ることなら、「ホビットの冒険」も合わせて10代、20代の感受性豊かな時に
どっぷりと読みたかったです。

本作品ですが、海外では映画化(言わずと知れた「ロード・オブ・ザ・リング 」(※私は
見ていませんが))や過去にドラマ化などがされていたようですが、日本では漫画化アニメ化
されていないのはちょっと意外でした。(あまり明るくないので、サラッと調べた限りですが)
誰か漫画描いてくれませんかねぇ??

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