【指輪物語】(著:J・R・R・トールキン/訳:瀬田貞二、田中明子)









▼どんな本?
敵の親玉が作ったスゲー力を持っている指輪をたまたま手に入れちゃったんだけど
敵の親玉に取り返される前に火山の中に入れてぶっ壊そうぜ、と言う物語。
この物語には、人間の他、エルフ、ドワーフ、オークやエント、そして主役である
ホビットといった種族のほか魔法使いも登場する、異国を舞台にしたファンタジー小説です。
この物語(本)の設定ですが、入れ子のような構造になっており、作中の
登場人物が「俺こんな冒険したんよ」と書き残した本を、作者であるトールキンが
見つけて翻訳したもの、と言うスタンスが取られています。
この趣向は非常に凝っており、文中に頻繁に「これはエルフ語でxx」とか
「過去にxxによって歌われたもの」とか注釈書され、物語に現実味を与えています。
▼読み所は?
この本は、これ以降の日本はおろか、世界中のファンタジー物に少なからずの
影響を及ぼしたと言っても過言では無い作品ですが、そんな前知識の無い当時の私は
「所詮、外国のファンタジーラノベだろw」程度の軽い気持ちで手を出して、
とんでもないしっぺ返しを食らうことになりました。(読み切るのに約半年w)
執筆(1930~1940年代(WW2時代))、出版(1950年代)された時代背景も
あると思うのですが、脚色や演出を抑えたかなり骨太の物語です。
さらに言うと、日本語訳判が出たのも1970年代と、翻訳された文章体も時代を
感じられる物になっています。
時代背景と言えば、物語中の登場人物が自分を名乗るときは、基本的に
「xxx の子 zzz」のような表現をします。これはこの物語の設定と言うのも
あったとは思いますが、どちらかと言うと作者であるトールキンが英国籍である
事も自然に漏れ出したと思うので、こういった所からも時代感や異国感を感じられる
作品かなと思います。
この物語はそのボリューム故、敵味方多数の人物が登場します。
主人公は圧倒的な力を持っているわけでも無く、ましてや王家の血筋、のような立場でも
ありませんが、その人格故に周りを惹き付け、また禍に巻き込まれていきます。
主人公以外でも、主人公パーティの面々にはしっかりと主役のような存在感を
与えられており、何なら主人公が一番主人公してなかったのでは?と思えるくらいです。
特に終盤になるにつれ、その傾向が強く、おまけ要員だと思い込んでいた人物が
ちょっとやり過ぎなんじゃ?と思うほどの大活躍をしたりします。
あと、全体通して感じたのは、主人公一行は敵陣の懐までの気の遠くなるような
長い行程を進むことになるのですが、いつも危機的状況に遭うのは「到着してから」
ではなく「到着するまでの行程」なんですよね。一行がジリジリと心身共に削られていく
描写(翻訳?)に派手さが無い分、読んでいて余計辛かったです。
ちなみに作者は、この作品は第二次世界大戦渦中の執筆ではあったが、その影響は
受けていないとしていますが、著者自身は第一次世界大戦は従軍しており、そこで友人達を
多数亡くしている事から(第二次世界大戦でイギリスは戦勝国だったにせよ)深層下では
少なからずの影響は受けていたのでは無いか?と思っています。
▼最後に
実はこの本には、「ホビットの冒険」と言う前日譚と言うか前作があります。
私はこれを知らずに、いきなりこの「指輪物語」から読み始めてしまったのですが、
主要な登場人物の人となりが、さも当たり前のように述べられていたりと違和感バリバリで
序盤の巻はかなり苦しみました。(笑)
※「ホビットの冒険」はまだ読んでいません。指輪物語の記憶があるウチに読みたいですね。
そうでなくとも、登場人物や地名、所持品等の固有名詞が盛り沢山で、記憶力の
無さに定評がある自分としては大変混乱しましたね。
特に登場人物によっては、「本名」「愛称(ニックネーム)」「通り名」など使い分けて
くるので、たまに本名が出てくると「また新顔かよ?!どこで見落とした?」と
軽くパニクっていましたw
正直、最低でもあと2,3周はしないと、1回読んだだけではこの本の半分理解できたか
怪しいものですねw
出来ることなら、「ホビットの冒険」も合わせて10代、20代の感受性豊かな時に
どっぷりと読みたかったです。
本作品ですが、海外では映画化(言わずと知れた「ロード・オブ・ザ・リング 」(※私は
見ていませんが))や過去にドラマ化などがされていたようですが、日本では漫画化アニメ化
されていないのはちょっと意外でした。(あまり明るくないので、サラッと調べた限りですが)
誰か漫画描いてくれませんかねぇ??


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